Written by Shun Tsuruoka

地方公務員になるのに学歴は必要なのか:学歴は無関係です【元地方公務員が語る】

  • 地方公務員になるには学歴は必要?
  • 地方公務員になって人生を挽回したい
  • 学歴がないので不安・・・

こういった疑問に応えます。

本記事のテーマ

  • 地方公務員に「学歴は関係ない」です
  • 学歴ゼロで地方公務員を目指す方へのアドバイス

 

この記事を書いている僕は、地方公務員歴が7年ほど。大卒で特別区に入庁し、4年後に市役所に転職しました。

 

地方公務員試験を受験する際に「学歴は関係あるのか」と聞かれることが多いので、記事では「学歴が関係ない話」を解説します。

 

読者さんへの前置きメッセージ

僕は学生時代、いわゆる「落ちこぼれ」でした。成績は下の下、クラスの中ではバカ呼ばれされていました。大学受験に失敗し、一浪しました。

僕も公務員試験に挑戦する際は、「自分みたいな落ちこぼれじゃムリなんじゃないか」と思っていたんです。

こんな僕でも地方公務員になることができたので、同じような悩みを持つ方の参考になればうれしいです。

地方公務員に「学歴は関係ない」です

college

「地方公務員になるのに、学歴は必要ですか?」とよく訊かれるのですが、
結論として、「学歴はまったく関係がなく、学歴がないと悩むのはあんまり意味はないかな~」というのが僕の意見です。

 

学歴を考えても意味がない:「学歴」は過去の実績に過ぎないから

重要なので繰り返しますが、公務員試験を受けるに際して、学歴を考える意味はないです。
だって、学歴は「過去の実績」で、「今の実力」ではないですよね。

公務員試験で求められているのは、「今の実力」です。だから、公務員試験に学歴は関係ありません。

  • 公務員試験に落ちる人:学力がない人=今の実力がない人
  • 公務員試験に受かる人:学力がある人=今の実力がある人

公務員試験で必要なのは、「学歴」ではなく「学力」です。

 

地方公務員試験に、学歴が重視されない理由

公務員試験に学歴が重視されない理由を考えると、本質がわかります。

  • 民間企業:応募者が多すぎて、すべての人を面接するのは難しい。なので、学歴でふるいにかける
  • 公務員:筆記試験によって、学力の証明は完了した。一人ひとりの実力は、面接によってじっくり判断しよう

公務員試験は民間企業の入社試験と違って、割とボリュームのある「筆記試験」が課されますよね。

この筆記試験によって、公務員の素質を見極めています。筆記試験の点数を見れば、その人の実力は明らかになり、公務員への適性が判断できるわけです。

だから、学歴(=大学名)で判断する必要なんてまったくないんです。むしろ、優秀な人物を「学歴」だけで落としてしまうリスクのほうが高い。

公務員試験は誰にでもチャンスのある、フェアな就職試験ですね。

事実:僕の同期の学歴を紹介します

特別区の同期(大卒)※人口規模25万人

  • 東大・京大:ゼロ
  • 難関国立大:5人ほど
  • その他の国公立:10人ほど
  • 早慶:10人ほど
  • MARCH:15人ほどボリュームゾーン
  • その他の私大:5人ほど

市役所の同期(大卒)※人口規模20万人

  • 東大・京大:ゼロ
  • 難関国立大:1人
  • その他の国公立:2~3人ほど
  • 早慶:1人
  • MARCH:3人
  • その他の私大:10人ほど(ボリュームゾーン)

完璧でなくうろ覚えですが、上記の感じです。

 

もちろん高学歴の人もいましたが、偏差値50以下の大学出身の人もいました。

新人研修の気まずい雰囲気の中、「そういえばどこの大学出身なの?」と苦し紛れに話題をふる程度。そもそもどこの大学かを知らない同期も多いです。

 

それくらい、どうでもいい話だと思っています。

 

現役公務員/元公務員の方の意見

SNS上で、下記のような意見がありました。

 

 

Twitter上にも「公務員になるのに学歴は不要」との意見が多数です。

 

学歴ゼロで地方公務員を目指す方へのアドバイス

toward-success

悲報:公務員試験は高学歴に有利

ちょっと残念なお知らせですが、公務員試験では学歴は無関係なんですけど、「高学歴者が有利」なのも事実です。

その理由は、高学歴の人は、正しい勉強方法を知っているからです。

同じ条件で一斉にスタートしたら、高学歴者が勝ちます。

とくに筆記試験は学力試験ですので、学習方法を熟知している難関大の学生たちが合格/採用者のほとんどを占めてしまうということです。

 

解決策:正しく勉強方法で、コツコツ勉強すればいい

学歴に自信がない人は、正しい勉強方法で、コツコツ勉強すればOKです。

  • 高学歴だが、怠けている人
  • 低学歴だが、毎日コツコツ勉強する人

上記の場合、基本的には「低学歴コツコツ派」が勝ちます。

なぜなら、公務員試験の出題範囲は非常に広く、高学歴者といえども短期間で合格レベルに持っていくことは不可能だからです。

なので、学歴がない人がやるべきは、正しい方法でコツコツ学習ですね。

>>参考記事:【本質論】公務員試験を効率よく勉強する方法【元公務員が解説します】

 

公務員試験が難しいと言われる理由:広範囲な科目から数問しか出題されないから

記事の前半でも書きましたが、公務員試験では筆記試験があり、その内訳は下記です。

  • 専門試験:憲法、民法、行政法、刑法、労働法、経済学、政治学、行政学、経営学、社会学、心理学、、、
  • 教養試験:数的処理、英語、国語、化学、生物、物理、地学、日本史、世界史、地理、哲学、時事、、、

ざっと20科目以上あります。。。

ここまで読んだ方は、「自分は私立文系で、理系科目は高2で捨てたよ。。自分には無理なんじゃないか?」と思われたかもしれません。しかし、ご安心を。

公務員試験でだされる問題は、基本的な理解を問うレベルであり、過去に出た問題が何度も出題されるからです。

言い換えれば、基礎レベルの問題が解けるレベルになれば合格できます。だから、「重要な科目に絞り、基礎学習と過去問研究」が効率的です。

 

公務員試験において、正しい勉強方法とは?:重要科目のみを学習せよ

先ほどから「正しい勉強を」と主張してきましたが、結論は下記です。

  • 間違った勉強方法:すべての科目を、完璧に学習
  • 正しい勉強方法:重要科目のみを、基礎レベルまで学習

公務員試験では、すべての科目を学習する必要もなければ、応用レベルまで到達する必要もありません。むしろ、完璧思考がかえってあだとなり、失敗します。

正しくは、「配点が高くてよく出る科目・問題のみを学習」でして、基礎レベルが解ければOK。

 

ここを理解すると、公務員試験を突破できる確率が飛躍的にupします。

 

学歴ゼロの人が公務員試験に合格する方法

ここまで読んで、もしかしたら「とはいっても、自分は学歴もないし、受験で失敗ばかり。勉強の進め方がわかりません」と思う人がいるかもしれません。

  • ①勉強開始前:公務員試験の全体像を知ろう
  • ②目標を設定:受験する自治体を決めよう
  • ③現状の把握:勉強初日に過去問を解く
  • ④環境の整備:予備校か独学か
  • ⑤毎日の学習を継続する:生活のムダを削ぎ落して、学習に集中

上記のステップで進めていけばOKで、僕はこの方法で特別区や裁判所一般職といった試験に合格しました。

 

①勉強開始前:公務員試験の全体像を知ろう

「公務員試験に合格するぞ!」と意気込み、いきなり参考書を買い込む人がいますが、実は非効率な方法。地図やGPSを持たないで初めて富士山を登るようなものです。

そこでオススメしたいのが「公務員試験の全体像を把握する」こと。一見遠回りしているように見えて、実は近道です。

ただ、公務員試験は複雑で、自力で自治体のサイトを見て調べるのは効率が悪いです。

手っ取り早く知るために、公務員予備校のクレアールが作成している社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)をゲットしましょう。

 

②目標を設定:受験する自治体を決めよう

試験の概要を把握したら、受験する自治体を決めます。
対策を立てやすくするのが狙いですね。

なお、言うまでもなく、受験する自治体の基礎情報はしっかりインプットすべきです。

  • 人口規模(約○○人)
  • 歴史
  • 名所・観光スポット
  • 抱える課題
  • 強み・弱み

このあたりは、なにも見なくて答えれるレベルになっておいたほうがいいです。

 

③現状の把握:学習初日に過去問を解く

学習する初日に受験する自治体の過去問を解きます。

「いやいや、まだ何も勉強してないのに、できるわけないじゃん、、、自信なくすだけだよ。。。」と思ったかもしれませんが、できなくていいのです。

  1. 現状を把握する
  2. 自分の実力と合格レベルとのギャップを知る
  3. ギャップを埋めるための作戦を立てる

上記が、過去問を初日に解く目的です。
自分と目標とのギャップがわからないまま勉強を開始するのは、何キロ走るかわからないのにマラソンを走るようなものです。

このギャップを知らないと、合格レベル以下の勉強をしてしまったり、逆に必要以上の知識を付けたりする恐れがあります。

 

④環境の整備:予備校か独学か

結論からいうと、予備校一択です。

ここで質問です。あなたは、20科目以上ある公務員試験を独学で学ぶことはできますか?

「学歴ゼロなのに、公務員試験なんて、、、自分には厳しい。。。」こう思った人が多いんじゃないかと思います。

  • 最新の情報が手に入る
  • 良質な問題集や過去問が手に入る
  • 正しい勉強方法を教えてもらえる
  • 予備校がスケジュールを管理してくれる
  • ライバルと切磋琢磨できる
  • オンライン学習に対応していて、講義を繰り返し聴ける
  • 面接や論文対策もできる

上記は予備校に通うメリットでして、学歴に自信のない人こそ、予備校に通うべきというのが僕の意見です。

 

⑤毎日の学習を継続する:生活のムダを削ぎ落して、学習に集中

そもそも論ですが、何かを得るためには、何かを捨てる必要がありますよね。

仮に今の生活のまま公務員試験に取り組むのは、満杯のコップに水を注ぐようにもの。

つまり、あなたのキャパ以上に何かを取り入れることはできません。

なので、今の生活をじっくり観察して、ムダを削ぎ落してください。たとえば下記のようなものが削除の対象です。

  • なんとなくテレビをつける
  • YouTubeやSNSを目的もなく徘徊
  • 飲み会
  • 見栄や世間体のためにはじめた趣味

もし当てはまるものがあったら、即見直してやめましょう。あなたに与えられた時間は、思っている以上に少ないです。

 

おわりに

最後に、20代の僕に向けてメッセージを送ります。

  • 学歴にコンプレックスを感じているあなたは、学歴がないことを言い訳にして、行動していないように見えます。

ちょっと厳しい言葉に聞こえたかもしれません。

しかし、では、あなたの学歴を変えることはできますか?多分できない。なぜなら、学歴は過去だからです。過ぎ去ってしまったことを変えることはできませんよね。

そうであるならば、学歴なんかを気にせずに努力を継続し、未来を変えていきましょう。