Written by Shun Tsuruoka

絶海の孤島・小笠原諸島に1歳1ヶ月の子どもを連れていってみた【体験談】

[st-mybox title=”” webicon=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

  • 小さいお子様連れで、小笠原(父島)への旅を計画されている方
  • 小笠原への旅を躊躇されている方
  • 実際に小笠原へ旅した子連れ夫婦の感想を知りたい方

[/st-mybox]

こんな方に向けて。

 

人生で一度は行きたいと願う、小笠原諸島。誰もが一度は描くユートピアが、小笠原にあります。

 

しかし、情報が少なく、子ども連れで大丈夫なのかかなり不安でした。

そこで小笠原諸島への旅では、どういうところに注意したほうがいいのか、何を持っていくと良かったか、旅先でどういう失敗をしたかなどを紹介します。

小笠原諸島への旅を検討されている方の参考になれば幸いです。

 

[st-mybox title=”” webicon=”” color=”#757575″ bordercolor=”#ccc” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”2″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

※この記事は2021年4月時点の情報です。最新の情報は下記の公式サイトでご確認ください。

[/st-mybox]

 

旅の感想

最初に旅の感想です。

ココが良かった!>

  • おがさわら丸の客室を個室の「1等室」にした!
  • 1歳1ヶ月の幼児でもホエールウォッチングができた!
  • 島で売っていないという紙オムツを大量に持っていった!

 

ココがイメージと違った・失敗した!>

  • 現金社会と聞いていたが、実際にはキャッシュレス化が進んでいた
  • 楽天モバイルでも町中であればスマホが使えた
  • 展望台までの道は、勾配が急できつい💦
  • 航海中はぐらぐら揺れるため、基本的に部屋から出られず寝るだけ
  • 海開きしているとはいえ、ウェットスーツなしでの海水浴は寒すぎた
  • ツアー中心で旅を設計するなら、レンタカーは不要

 

小笠原諸島の基本情報〜小笠原諸島ってどんな島?〜

 

東京都・小笠原村の公式サイトが端的でわかりやすいです。

小笠原諸島は、東京から南約1,000kmの太平洋上に散在する30余りの島々の総称です。

気候は亜熱帯海洋性気候に属し、気温の変化が比較的少ない海洋性のしのぎやすい気候であるが、台風の常襲地帯でもあります。

平成23(2011)年には世界自然遺産に登録されるなど、世界的にも貴重でかけがえのない自然の宝庫となっています。

小笠原村の人口は令和2(2020)年1月現在、父島2,173人、母島456人となっています。

本土との交通アクセスは、片道24時間の定期船が週に1便程度運航しているのみです。

出典:東京都・小笠原村公式サイト

 

小笠原諸島までのアクセス

私たちは、PCR検査のことも確認したかったので(PCR検査のことは後述します)、電話で予約しました。
後日、自宅に送られてくる振り込み用紙をもとに、銀行振り込みでチケット代を支払いしました。

 

PCR検査について(2021年4月現在の状況です)

2021年4月現在、おがさわら丸に乗船する前にPCR検査が実施されています。

チケットを予約した後、後日自宅に検査キットと同意書が送られてきます。

出港日の前日か前々日までに容器を竹芝客船ターミナルの窓口に直接届ける必要があります。費用は無料です。
※6歳未満の子どもは検査対象外。

最新情報は» 小笠原海運の公式サイトをご確認くださいませ。

 

出発地は東京・竹芝桟橋

JRなら浜松町駅、地下鉄なら都営浅草線・大門駅が最寄りです。
駅から歩いて15分ほどかかります。

竹芝桟橋付近には、コンビニが1軒(FamilyMart)あります。軽食類や薬などを買っておくのもいいかもしれませんね。

竹芝桟橋に着いたら窓口で手続きをします。手続きを済ませると、乗船するためのQRコードがついた紙と客席のカードキーが渡されます。
船に持ち込める荷物は、一人2個までです。

»小笠原海運の公式サイトを見てみる

 

船に乗っている時間

まるまる24時間です。

昼に出発したら、1日後の昼に着くといったイメージですね。

なお、私たちが行ったときは海が荒れていたため、往路復路ともに1時間ほど遅延しました^^;

 

定期船「おがさわら丸」での過ごし方や雰囲気

ここからは、船での過ごし方や雰囲気についてです。

 

子ども連れは「1等室」がおすすめ

部屋の様子

1等室の様子

 

子どもと一緒に旅をするなら、1等室が断然おすすめです。

✓「1等室」がおすすめの理由

  • オムツ替えや授乳が部屋の中でできる
  • 子どもがぐずった時でも他のお客さんの迷惑にならない
  • 親が船酔いしたときも、ベッドで横になれる

[/st-mybox]

2等和室には「ファミリー用の部屋」も用意されていますが、繁忙期は他のお客さんと同部屋になることがあります。

たしかに1等室の料金は、2等室に比べると1〜2万円ほど高くなります。

 

ですが、1歳程度の子どもを連れていく場合、はじめての環境で子どもが大騒ぎする可能性があります。

また、授乳やオムツ替えなどを考えると、個室がある1等室がおすすめですね(^^)

わたしの体感では、航海中は船がディズニーランドのカリブの海賊よりも揺れるので、授乳室やトイレに行けなかったです。

そもそも揺れていて危ないですし、立った瞬間気持ち悪くなるので、僕と妻は部屋のベッドで寝ていました。

 

船の揺れと対処法について

東京の竹芝桟橋を出港して東京湾を抜けるまでの約2時間は、波も穏やかで快適に過ごすことができます。

この間に食事や授乳、オムツ替えなどを済ませておくと後々楽です。

 

しかし、房総半島の南端にある館山を抜け、太平洋に出ると波風が強まります。

伊豆諸島の八丈島を超えたあたりから、もう1段階波風が強まった感じがしました。

ここからは、手を離して立つのも難しくなり、トイレに行くのも困難になります。

 

わたしたちは、午後7時にレストランで夕食を食べに行きましたが、完全に失敗でした。

お盆を持って席に行くのは大変危険です。さらに食べている途中で気持ち悪くなり、全部食べきれませんでした。

ランチに比べてお客さんの数は、2分の1くらいに少なくなっていました。

事前にパンなどの軽食を買っておいて、部屋の中で寝ながら食べたほうがよかったと思います^^;

 

子どもの船酔いについて

医学的に、子どもは乗り物酔いをしやすいとされています。

乗り物酔いは、脳が発達する2〜3歳くらいから見られるようになり、12歳くらいがピークになるようです。

しかし、2歳になるまでは脳が未発達のため、一般的には乗り物酔いはしないとされています。

実際、1歳1ヶ月の長男は航海中いちばん元気でした(笑)

 

しかし、他のお客さんで、幼稚園から小学生くらいのお子さんは、気持ち悪そうにしていましたよ。

船の中で一度酔ってしまうと、酔いを解消させるのは非常に困難です。逃げ場がなく、ただただ耐えるだけといった感じ。

また、幼児でも飲める酔い止め薬はありますが、わたしが見た限り3歳未満の子どもが飲める薬はなかったです。

なので、小さなお子様を小笠原に連れていくべきかは、親が慎重に判断してください。

※乗り物酔いを予防方法は» 乗り物酔いの原因・予防方法が参考なります。

 

ちなみに、大人はどうか?というと、酔止め薬は必須中の必須。

航海中は、想像以上に揺れました。まっすぐ立っていられないほど揺れます。笑っちゃうくらい揺れましたよ。まさにパイレーツ・オブ・カリビアンみたいな感じ。

なので、船に乗る前に購入しておくといいです。

もし、酔い止め薬を買い忘れてしまったら、船内にある「ショップ・ドルフィン」でも販売されていますので、船が揺れる前に購入したほうがいいです。

 

スマホの電波はどうか?

わたしは楽天モバイルを利用していますが、スマホの電波は以下のとおりでした!

(最大手の三大キャリアはわかりませんので悪しからず…。)

✓船の上

基本的にスマホは使えません。
しかし、実際には東京湾を抜けるあたりまでスマホを利用することができました。

✓小笠原・父島

基本的に使えます!
ただし、父島の南東部の山間地に行くと、電波は通っていませんでした。

展望台やハイキングをご検討される方は、注意したほうがいいです。

 

船内の店舗や設備について

次は、船内のお店を体験ベースでご紹介します。

 

レストランChichi-jima

メインレストランはこちら。

フードコートのような感じです。ラーメン、カレー、オムライス、お刺身と、ほぼなんでも揃っています(^^)

ただ海が荒れると、食堂内はぐわんぐわん揺れて、お盆を持つのも食べるのも一苦労します。

とくにラーメンなどの汁物は船が揺れると、お椀からスープが吹きこぼれますね…。

波が穏やかな東京湾を抜ける前に立ち寄りたいです。

 

展望ラウンジHaha-jima

海をみつつ、お酒やコーヒーを嗜むならHaha-jimaがいいかと。

コーヒーやお酒などのドリンクと、スイーツが販売されています。

20〜40代の方が複数名でお酒を飲んでいましたよ。目の前に広がる海を眺めつつ飲むお酒は格別でしょうね〜。

※感染症予防の影響で店内のソファー席は利用ができない状況でした(※2021年4月現在)。

 

ショップドルフィン

ちょっとした小物を買うならココがいい。

小さなコンビニのようなお店です。パンやカップ麺などの軽食などが販売されています。

珈琲も販売されていて、レギュラーサイズ150円でした。豆から淹れたてで美味しく、船内で一番安いので良かったです(^^)

 

シャワールーム

各フロアに設置されています。

リンスインシャンプーとボディーソープがあります。また、ドライヤーもあります。
ただ、海が荒れる前に済ませたいですね。

ちなみに、僕は1歳の長男と一緒にシャワールームを利用しました。
狭い上に、船が揺れるのでめちゃめちゃ苦労しました^^;

 

自販機・給湯室・電子レンジ

特に、給湯室や電子レンジは助かる!子ども用の食べ物を温めるのに利用しました。

1等室には部屋の中に電子ケトルが付いていたので、そちらも利用しました!

 

キッズルーム/授乳室など

おそらく多床室の方向けに設置されています。

私たちは個室でしたので、利用することはなかったです。

また、2021年4月現在、キッズルームは感染症予防の観点から閉鎖されていました。

 

日焼け防止アイテム

小笠原の日差しは、直接肌に当たると痛さを感じるほど強烈です。
大人はもちろんですが、子どもの日焼け対策も万全にしたほうがいいです。

日焼け止めクリーム、帽子、長袖の上着、このあたりは最低限必要です。

小笠原は海のど真ん中にあるので、風が強いです。帽子はゴム付きで飛ばされにくいものがいいです。

 

小笠原諸島でのアクティビティについて

小笠原といえば、スキューバダイビング、シュノーケリングやSUPなど、海でのアクティビティを想像しますよね。

こうしたアクティビティーは現地のツアーを申し込み、ガイドさんとともに楽しむのがいいと思います。

しかし、残念ながら体力を使い危険を伴うマリンスポーツへのツアーに幼児は参加できません。

 

とはいえ、イルカやクジラをウォッチングするツアーには参加することもできます!

また、小笠原の夜の森を探検するツアーや戦跡ツアーなど、陸のアクティビティも充実しています。幼児でも参加ができる現地ツアーもありますので、公式サイトや電話などで確認してみてください(^^)

ただし、展望台へ辿り着くには、アップダウンの激しい山道を歩くことになります。

遊歩道はあるものの、ほぼ手つかずのジャングルの中を歩くイメージに近い。

山の方は人も少ない上に電波も入らないので、万が一事故が起きたら大変です。

なので、事前に展望台への道のりや距離を確認し、飲み物や食べ物などの装備もしっかり準備してから登ることを強くおすすめします。

 

幼児でも楽しむことができたアクティビティー

1歳1ヶ月の子ども連れでも楽しめたアクティビティーは下記のとおり。

✓海

  • ホエールウォッチング
  • イルカウォッチング
  • 海水浴
  • 釣り(堤防から)

✓陸・山

  • 天体観測
  • ホエールウォッチング(展望台からクジラを眺める)
  • 展望台
  • 戦跡巡り

これらは、わたしたちが実際に体験した娯楽です。

 

意外だったのは、4月とはいえ寒かったことです。

小笠原=常夏のイメージがあったのですが、体感としては「初夏」でしたね。

なので、もし海に入るんでしたらウェットスーツは必要かもです。

 

あとは、個人的にホエールウォッチングと夜の釣りがよかった!

ホエールウォッチングでは圧倒的な非日常感を、釣りでは圧倒的な南国感を味わえます。

堤防で釣れました!

こちらはサンゴ礁がビーチにて。

 

小笠原の海は圧巻です。

 

宿泊について

おがさわら丸が着岸する父島・二見港周辺の「大村地区」に宿泊施設が集中していました。

また、大村地区には飲食店、スーパー、観光案内所などの主要な施設があります。

初めて小笠原を観光する方は、まず「大村地区」周辺の宿を検討されるといいですね^^

大村地区で宿をとっておけば間違いないって感じです。

 

宿の予約は、電話かインターネットで行います。

ただ、幼児にも対応している宿かどうかは、わたしが見たかぎりネットにはあまり情報がなかったので、電話で確認することをおすすめします。

私たちが実際に宿泊した宿は、「WEST ANNEX」です。

朝夕の食事付きで、食卓には幼児用の椅子もありましたので、快適に過ごすことができました^^

また、ご主人にお願いすれば、釣った魚を調理してくれるとのことです。

(なんと、ご主人は本島出身、奥様が父島出身とのことでした!)

 

まとめ:過酷だったけど、最高の思い出になった!

「最高に思い出に残る旅をしたい」

これが、小笠原諸島への旅を決めた動機でした。

だけど、「小笠原って小さい子どもを連れてはムリじゃないか」とか「大学生や仕事を引退した人がいく場所なのかなぁ」とか思い、一時期は断念しかけていました。

 

しかし、どうしても小笠原に行きたい。

ならば、「どうしたら幼児とでも小笠原に行くことができるのか?」と考え、必死に情報をかき集め、1歳児を連れても小笠原に行くことができると確信しました!

そして、入念な準備をして小笠原に行き、最高の経験をすることができました!

大変で過酷だったからこそ強烈な思い出として今もなお残っています。

 

「小笠原に行きたいけど、子どもがいるからムリだ」と、諦めてかけているあなたの参考になれば幸いです。